大阪で紫微斗数の鑑定をしていると、真面目に仕事に取り組み、周囲の期待に応えてきた方から、ご相談をいただくことがあります。
責任感があり、任されたことをきちんとやり遂げる。
だからこそ信頼され、次の役割を任される。
けれど、期待が大きくなるにつれて仕事への意欲が薄れ、何もかも投げ出したくなることもあります。
今回は、役割が変わったときに生まれる苦悩について、鑑定で考えたことを書いてみます。
相談者様のプライバシーに配慮し、具体的な背景は伏せています。
役割が変わると、求められるものも変わる
これまでは、自分が動き、成果を出すことで評価されてきた。
ところが、人をまとめ、全体を見て判断する立場になると、自分の努力だけでは動かせないことが増えてきます。
関係者の意見が食い違う。
自分では変えられない条件がある。
必要だと分かっていても、相手の反応が怖くて言葉にできない。
同じ仕事を続けているようでも、求められる役割は大きく変わっています。
命宮の天府・武曲・化権が示す「任される力」
紫微斗数の命盤には、責任ある立場を任されやすい傾向や、管理・判断に力を発揮しやすい性質が見える場合があります。
今回拝見した命盤では、命宮に天府星と武曲星があり、化権もついていました。
天府は、物事を管理し、全体を安定させていく性質を持つ星です。武曲は、実務や成果を重視し、責任を持って物事を進める力を表します。化権には、権限や責任、主導して判断するという象意があります。
この組み合わせからは、実務で成果を出す力に加え、全体を管理し、責任ある立場を担う力が読み取れます。周囲から仕事を任され、抜擢されやすい持ち味でもあります。
福徳宮の貪狼・鈴星が示すタフさ
福徳宮には、貪狼星と鈴星がありました。
貪狼には、意欲や欲求、物事への関心を広げ、楽しみや達成感を求める性質があります。鈴星には、内側に強いエネルギーを秘め、それが緊張や集中力として表れる面があります。
内面にもバイタリティーがあり、困難に向き合う粘り強さを持つ方だと言えます。
ただ、タフさがあるからこそ、苦しくても踏ん張り続けてしまうことがあります。持っている力を十分に使うためにも、何を引き受け、どこまでを自分の責任とするのかを整理することが大切です。
判断することと、好かれることを切り分ける
責任ある立場を担う力を持っていることと、本人が不安なく役割を担えることは別です。
任される力があっても、迷うことはあります。
責任者になったからといって、人から嫌われることが急に平気になるわけでもありません。
特に、これまで周囲の期待に応えることを大切にしてきた方にとって、誰かが不満を持つと分かっている判断を伝えるのは、苦しいことです。
けれど、責任ある立場では、全員の希望を同時にかなえられない場面があります。
相手の意見を聞き、必要な説明をすること。
そのうえで、全体のために判断すること。
そこまでが自分の役割であり、相手がどう受け取るかまでは、自分だけで決められません。
判断することと、人に好かれることを切り分けて考えると、言葉にできなかった理由が少しずつ整理されていきます。
役割が変わると、評価される仕事の内容も変わります。
自分で成果を出してきた人ほど、自分の手で結果をつくりたい、貢献を認めてもらいたいという気持ちがあるでしょう。
その気持ちを持ったまま、人に任せる立場へ移ることには、戸惑いもあります。
自分が直接動くことに加えて、人が動けるように整えること、必要な判断をすること、全体を進めることも仕事になる。
この変化を理解すると、自分の頑張りをどこへ向ければよいのかが見えてきます。
一度の結果で、持ち味は消えない
鑑定では、今回の結果だけで今後の可能性がすべて決まるわけではない、という視点もお伝えしました。
天府・武曲・化権から読み取れる、管理や実務、判断に関わる持ち味は、今回の役割を離れたとしても変わらずそこにあります。別の場面で、再び責任ある仕事を任される可能性もあります。
命盤から見える持ち味は、一度の成功や失敗だけで消えるものではありません。
もう一つ、お話ししたことがあります。
社会で働く以上、他者からの評価はあります。
成果を求められることも、評価が報酬につながることも、現実の一部です。
ただ、成功したときも、思うような結果にならなかったときも、自分が何を考え、何に迷い、どのように取り組んできたかを、一番近くで知っているのは自分です。
結果を振り返り、改善することと、自分の努力を認めることは、両方あってよいのだと思います。
周囲から認められるために頑張ってきた人ほど、自分で自分を認めることには、慣れていないのかもしれません。
一度の鑑定で、すべてが落ち着くわけではありません。
実際の仕事の中で、また迷うこともあるでしょう。
それでも、苦しさの背景を知り、自分の役割を捉え直すことは、次の一歩につながります。
私は、命盤と現実を照らし合わせながら、その方が自分で選び、判断していくための鑑定を大切にしています。